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放射能のおはなし
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1.放射能と放射線
原発事故以来よく聞かれる、放射能と放射線ですが、それぞれ意味が異なります。放射能とは放射線を出す能力のことを言い、放射線を出す能力をもった物質のことを放射性物質と言いますが、一般に報道などでは放射能と放射性物質を同じ意味で使われていることもあります。 放射線とは実際に発射されたものです。 放射能 = 放射線を出す能力(≒放射性物質) 放射線 = 放射性物質から実際に発射されたもの 2.ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)
放射能や放射線を考えるとき、注目するのは次の2つです。(1) 空気中や水、土壌、食品などの物質中にどれだけの放射能が含まれるか。 = 放射能の量 (2) それらの放射能から発射された放射線はどのくらいの強さなのか。 = 放射線の強さ この2つを表す単位として、それぞれ、ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)がよく使われます。(このほかにも、さまざまな単位がありますが、混乱するのでこの2つに限って説明します) 簡単に言うと、ベクレル(Bq)は放射能の量(放射性物質の量)を表し、シーベルトは(人間が受ける)放射線の強さを表しています。 例えば、10ベクレル/キログラムであれば、1キログラムあたり10個の放射能が含まれていると理解できます。 2シーベルト/時であれば、1時間あたり2シーベルトの強さの放射線を受けると理解できます。 ベクレル(Bq) = 放射能(放射性物質)の量 シーベルト(Sv) = 放射線の強さ * 厳密にはベクレルは(原理は次項で述べますが)1秒間あたりに崩壊する原子の個数を表します。 * 厳密にはシーベルトは放射線そのものの強さではなく、人体が吸収する放射線の強さ(エネルギー)を指します。つまり、人体が放射線によってどの程度の影響を受けるか、という考えに立った単位です。 3.放射性物質とは?
放射性物質とは放射線を出す物質(放射能をもった物質)のことですが、その仕組みは次の通りです。簡単に説明しますと、放射性物質(原子)とはたいへん不安定な物質(原子)のことで、そのため、別の物質(原子)に変わろうとします(これを崩壊といいます)。変わるときにエネルギーを放出するのですが、これが放射線です。 放射性物質と呼んだり、放射性元素と呼んだり、放射能と呼んだり、核種と呼んだりしますが、ここではすべて同じものと考えて良いでしょう。(本来は微妙に意味が違いますが) 放射性物質 ≒ 放射性元素 ≒ 放射能 ≒ 核種 例えば、セシウム137は放射線を出しながらバリウム137に変わます。 4.放射線の種類
![]() [図出典] 放射性医学総合研究所 発射される放射線にはいくつかの種類があります。 主なものとして、α(アルファ)線・β(ベータ)線・X(エックス)線・γ(ガンマ)線などがあり、以下のような特徴をもっています。 通り抜ける力 影響を与える力 α線 弱い 強い β線 ↑ ↑ X線 ↓ ↓ γ線 強い 弱い例えば、α線は紙一枚で遮ることができますが、当たってしまうとその力は強いのです。逆にX線やγ線は通り抜ける力は強いですが、影響を与える力はα線に比べると弱いのです。 この性質を利用して身体の中を調べるレントゲンでX線が使われているのです。 放射性物質によって、出す放射線の種類は変わってきます。 5.半減期とは?
放射性物質は放射線を出し別の物質に変わっていきます。これは一度に起こるのではなく、徐々に進んでいきます。その速度は放射性物質によって異なります。 例えば、100個の放射性物質があったとして、わずか数秒、あるいは一瞬にして別の物質に変わってしまう種類もあれば、何億年という長い時間をかけて別の物質に変わっていく種類もあります。 100個の放射性物質があったとき、その半分の50個の放射性物質が別の物質に変わるまでの時間を半減期といいます。 例えば、ヨウ素131は半減期が8日、セシウム134は半減期が2年、セシウム137は半減期が30年とされています。つまり、ヨウ素131は8日間も経てば半分の量に減ってしまうが、セシウム134は2年、セシウム137は30年経ってようやく半分の量になるのです。(だから、長期的にはヨウ素131よりもセシウム137の影響が残ります) したがって、例えば、1960~1970年代にかけて世界中で行われた核実験により、地球上に放射能が撒き散らされたが、このときのセシウム137は半分以上なくなったとは言え、いまだに残存しているのです。 ちなみにプルトニウム239の半減期は約2.4万年、ウラン238の半減期に至っては約45億年です(!) ![]() [図出典] ATOMICA 6.シーベルト(Sv)に注目!
おそらく多くの人が知りたいことは次のことでしょう。放射能がどのくらい存在していて、それらが出す放射線がどの程度影響を与えるのか。 それでは、なにに注目すれば良いのでしょうか。 それはズバリ、人体に影響を与える放射線の強さを示すシーベルト(Sv)の値です。 この値を見ながら、判断いけば良いのです。 7.シーベルト(Sv)に注目!と言われても…
いきなりシーベルト(Sv)に注目!と言われても、例えば、重さが50キログラムとか、速さが毎時40キロメートルの単位であれば実感が湧きますが、シーベルト(Sv)では感覚的にわからない人がほとんどでしょう。シーベルト(Sv)を理解するために手っ取り早い方法は具体的な例を参考にすることです。 次の図を見てみましょう。 ![]() [図出典] 鹿児島県 環境放射線監視情報 シーベルトを表す際、1シーベルトだと強すぎる(10シーベルトでは全員死亡)ので、ミリ(m)やマイクロ(μ)をつけて表すことが多いです。(上の図はミリシーベルト(mSv)) 1シーベルト(Sv)= 1,000ミリシーベルト(mSv)= 1,000,000マイクロシーベルト(μSv) 上の図を見ると、以下のようなことがわかり、シーベルトの表す影響が徐々に理解できます。 10,000ミリシーベルト = 全員死亡(たいへんだ!) 100ミリシーベルト = 全身被ばくし、すぐに影響が出てくる。 6.9ミリシーベルト = 胸部CT検査1回分 2.4ミリシーベルト = 1年間に受ける自然の放射線の量(世界平均) 0.05ミリシーベルト = 胸部X線検査1回分 8.ベクレル(Bq)はどうするの?
シーベルト(Sv)はなんとなく感覚つかめたけど、じゃあ、放射能の量を表す単位であるベクレル(Bq)はどうやって判断すれば良いの?と思われるでしょう。どうすれば良いのか、というと、○○ベクレル(Bq)の物質を吸い込んだり、食べてしまったときにどのくらいの放射線の強さ=シーベルト(Sv)を受けるのか、ということを考えれば良いのです。 つまり、ベクレル(Bq)からシーベルト(Sv)を計算することになりますが、この計算がたいへんに難しいのです。 放射性物質の種類や吸い込んだのか、食べたのかという状況、年齢などによって変わってきます。 さらには専門家や団体によっても掛け合わせる数が大きかったり、小さかったりします。 したがって、ここでは計算方法は詳しく解説しません。(解説すると返って混乱しますので…。興味のある人は預託実効線量の算出方法をインターネットなどで調べてみてください。) どうしてこんなことになるのか、わかりやすい例えで言いますと、放射性物質を車に例えれば、軽自動車が100台あるのと、ダンプが100台あるのとでは、同じ100台でも当たったときの衝撃が違います。また、正面から当たったのか、それともかすった程度なのかによっても違ってきます。つまり、放射性物質の種類によって同じ量でも放出される放射線の強さは異なり、さらにどのように当たるかでもその影響の度合いは変わってくるというわけなのです。 なお、計算方法は難しいので、いまでは便利な計算ツールも用意されています。 >>> かもナビの計算ツール さまざまな計算を使って、ベクレル(Bq)から出されたシーベルト(Sv)を預託実効線量と呼び、ある放射性物質を体内に取り込んでしまったとき、50年間(子どもでは70歳まで)にわたってどのくらいの強さの被ばくを受けるのか、を表します。 ただ、実際には体内に長く留まらず、一定期間で排出されてしまうものが多いため、算出された預託実効線量は基本的に体内に取り込んでから1年間で体内で受ける強さと考えて構わないようです。
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